【子ども工学講座】扇風機の羽根

子ども工学講座
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子ども工学講座は小学生高学年~中学生の方を読者と想定して記載しています。
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羽根の枚数

君たちの家には扇風機はありますか?

はい。先生。
家には4台の扇風機があります。

じゃあ、扇風機の羽根の枚数とか気にして見たことはありますか?

あまり気にしたことはありませんが、5枚くらいでしょうか

今は5枚以上とかが普通に市販されていますよね。
40年ほど前は3枚だったんだけどね。

ふーん。じゃあ、どんどん時代とともに増えてきたんですね。

いや、それも違っていて。さらにその昔は4枚のものが主流だったこともあるようなんだ。

???その時々の流行とかあるのでしょうか

そうだね。どうしてか考えてみようか

羽根の枚数が増えてきている理由

皆さんが扇風機に持っているイメージは昔からある製品というイメージがあります。
一般的な機能としては
 ・強弱を変えることができる
 ・首振りができる
 ・タイマーが設定できる
 ・リモコンで操作できる
などがあり、これらの機能は成熟(せいじゅく)しています。

メーカーの人は次に製品をどういうポイントで、買う人の興味を引き付けるかを考えます。
上で書いたように

メーカが製品を買う人の興味を引き付けるための機能や特徴のことを、難しいことばで『訴求ポイント』(そきゅうぽいんと)と言います

扇風機が向かった方向のひとつ

基本機能が成熟した電化製品が、次に向かうのはさらに上の機能です。
例えば、
・書類が飛び散らない風量にできないかなぁ
・小さい子がいるので羽根が触れないようにできないかなぁ
などです。
では、羽根の数が増えたのはなぜでしょうか。

扇風機の風は、できるだけ自然の風に近づけることが課題の一つです。

扇風機の風に長時間あたることは人間にとってストレスになり疲れるためで、疲れを少なくするために羽根の数を増やしているのです。

次の図は上が自然の風、下は扇風機の風それぞれの強さの変化を簡単にかいたものです。
自然の風は強弱がゆっくり変化します。一方、扇風機の風は3枚の羽根だと強弱が激しく変化するので人には不快感をあたえてしまうのです。
それを解決する方法の一つが、羽根の枚数を多くすることなんですね。
感覚になりますが、羽根の枚数の多い扇風機の方がなめらかで優しい感じがするのです。

昔、扇風機の羽根が4枚→3枚に減った理由

では、なぜ昔4枚→3枚に減った羽根の枚数が、最近増え始めのか。
それは、羽根枚数の増加が人の身体への不快感を減らす目的であったことと理由がことなるためです。
かなり難しい内容になりますので詳しくは書きませんが、偶数の場合(特に4枚)は奇数の場合に比べて回転のバランスを取りにくいなど製造上の理由があったためです。



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