夏休みの宿題で自由研究が必須の学校では、そのテーマ決めに悩むところです。
中学受験においても、私立や中高一貫制の公立では入選歴がプラスになるところもあると思います。ここでは自由研究のテーマ選定から進め方を書いていきます。
小学校高学年や中学生の研究は、
・自然から疑問を感じる力
・疑問を明確にするために、どんな実験をするかを考える力
・実験結果をまとめて答えをだす力
が求められれていると思います。
「アリジゴク巣同士の距離について」を例に挙げて進めていきます。
結局このテーマは実施しませんでしたしたのでストーリのみになります。
実験できなかった理由は、アリジゴクがいないことです。
テーマ決め
いちばん良いのは子どもたちが日々の生活で疑問に抱いていることを、そのままテーマにすることです。「どうして?」をタイトルにすればいいのです。
アリジゴクの生態に関して。
お寺の軒下で見かける、アリジゴク(ウスバカゲロウの幼虫)ですが、二つのアリジコクの巣が隣接しているのを見たことがありません。
何かお互いに決まった距離があるのか疑問です。
ここで重要なのは、単純にアリジゴクの生態を調べるというところではなく、具体的に巣の距離に関して疑問があると考えていることです。単純に生態をみても、何も結果は出てきません。
「何の」「何を」研究するのかを明確にしてください。
例の場合だと、「アリジコク巣同士の距離について」といったタイトルになります。
採取・栽培系はテーマにならないのか
テーマにできます。
ただし、単に採取したり、栽培した成長を時系列に並べるだけでは研究でありません。採取や栽培をして知りえることを書いていけばいいのです。
植物採取では、植物Aと植物B、植物Cの分布、それぞれの土や日当たりなのど条件を調べます。植物AとB、Cは分布を共通しているのかを調べたりします。
栽培では、たとえば茎の伸びる方向は光の来る方向ですが、では値の伸びる方向は何で決まっているのかなどを調べるのもテーマになります
たとえば、苔などは採取に制約がありますし、地域によっては動植物の採取自体が禁止のところもあります。
また、昆虫を含めて動物も生命です。もといる場所で実験し、ちゃんと放してあげてください。
また、鉱物類には毒性のあるものもありますので十分に注意し、取扱後には手をきれいにあらってください。
実験
実験します。
実験で重要なのは数値です(ものを数値で表現することを定量化といいます)。
アリジゴク(以下幼虫という)の例でどんな実験をするかを記載していきます。
・幼虫巣の円中心間距離
・匹/面積
などがあげられます。
❶巣の距離を測ります。数多く生息している所がよいと思います。
横軸に距離、縦軸に数をとりグラフにし ます。おそらくですが、巣の距離はある一定の距離から小さくはならないはずです。
❷巣の距離は、偶然に幼虫が生息していた場所で決まっているのかを実験します。
幼虫を数~十数匹を巣から取り出し、一か所に集めます。
巣作りがはじまりますが、全ての個体がその場所で巣作りをはじめるのか、それとも他の個体から一定の距離をとるように移動してから巣をつくるか確認します。
ここで、幼虫が巣の距離を認識するための方法を調べることができます。
・巣作りの動作の中で、他の個体とぶつかることで巣の距離が適切でないことを認識している。
他の個体とぶつかると移動→巣作りを繰り返す。
・巣作りを開始する前に移動する。
もし後者だとしたら、幼虫自身が他の固体との距離を認識することになります。
❸❷の状態でアリジゴクの周囲に「囲い」をします。
もし個体同士に必要な距離を確保するだけのスペースがない場合に起こす挙動を調べます。
・距離が小さくても巣をつくるのか
・距離を確保できた個体だけ巣をつくるのか
・どの個体も巣をつくらないのか
を調べます。
❹❶~❸の中でさらに疑問になったことを検証する実験をおこないます。
なお、実験の様子は写真にとり、他の個体と一定の距離を確保する際の動きはイラストで記載するのが良いと思います。
写真はオリジナリティの証明です。
私がここに書いたように、ある程度どいった実験をするかは考えられますし、結果にしてみてもネット上を海外も含めてくまなく探せば出てくる可能性があります。残念ながら「エア研究」ができてしまうのです。
まとめ
まとめは、テーマ決めのとき書いた疑問内容の答えを書きます。
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